地安坊大権現

kenmyou

2012年08月24日 12:22

岩水寺の鎮守様であり、根堅のお祭りのご本尊様は、地安坊大権現覚仁僧都、通称「じあんぼうさま」、「じゃんぼさん」です

地安坊大権現覚仁僧都は約1200年の岩水寺の住職です。
飢饉や災害から根堅の民を守った事により、根堅の神様となられました。

また岩水寺としても、本尊薬師如来の十二の大願( 相好具足・光明照被・所求満足・安立大乗・持戒清浄・諸根完 具・除病安楽・転女成男・去邪趣正・息災離苦・飢渇飽満・荘具豊満 )により寺を十二の谷に分けられました。
現在でも谷の名が一部地名として残っています。
岩水寺がある場所が清水谷。
奥ノ院よりさらに奥、森林公園の吊り橋がある一帯を一の谷。
岩水寺南側が北谷といった感じです。

現在こそ、太鼓橋から続く階段(現在は台風の影響により通行禁止)を登った山の中腹にありますが、古地図によると薬師堂近くに地安坊大権現堂はありました。

現在の建物は1698年頃の建物です。

ちなみに地安坊大権現さんは岩水寺オリジナルの神様ですが、しっかりと国に認定されている神様なんです

天保2年(1831年)3月、神祇管領長上家である吉田家の書状により、地安坊大権現さんは神名帳に記載されております

故に根堅のほとんどの神様は地安坊大権現さんの分かれであると、村の古い衆が言っております。
根堅地区の氏神様である山住神社は、元は山王大権現と言い、地安坊大権現さんより分かれた神様です。
他に根堅相野地区の氏神様である松明神さんも分かれであると言われております。

ちなみに山王大権現は天台宗の神様です。
え・・・、岩水寺って真言宗じゃんって驚かれた方もいると思われます。
実は岩水寺は真言宗の前に天台宗だった時期もあるのです。
まあ、それがいつまでだったのかは分かる資料はありませんが。

山王大権現さんの本地仏はお釈迦様とお薬師様です。
お薬師様は岩水寺のご本尊様であるから、山王宮が建てられたと思われます。

え・・・、岩水寺のご本尊様ってお地蔵様じゃんって驚かれた方もいると思われます。
実は本尊様2つあるのです。
岩水寺1山の総本尊様がお薬師様。ですので岩水寺1山を指す正式名称は「瑠璃山 岩水寺」です。江戸幕府や明治政府には「瑠璃山 岩水寺」で書類を提出しております。

それともう1つ、田村将軍よりご縁があったお地蔵様を本尊とする「龍宮山 岩水寺」。
岩水寺で1番大きな建物の主、またお祓いしたりする所は「龍宮山 岩水寺」の本尊であるお地蔵様です。
偉い人から授かったという事で1番大きな建物におられる訳です。
国の重要文化財にも指定されている程、手厚くお祀りされております。

お薬師様の「瑠璃山 岩水寺」の中に、お地蔵様の「龍宮山 岩水寺」があるといった形です。

さて、今日8月24日は地安坊大権現さんのご縁日、あたり日です。
24日はお地蔵様のご縁日です。
20年ほど前までは毎年この日に根堅のお祭りが行われてきました。
現在は村人からの要望により、あたり日前の土日にお祭りが行われております。

実は・・・、お祭り当日は秘仏の地安坊大権現像が開扉されます。。。

まあ、内緒の話だから根堅の村人も知らないのですが・・・

ブログで言ったら内緒でなくなっちゃったかも・・・

関連記事